穴水町災害ボランティアセンターへのコーディネーター派遣 第2班・第3班の活動報告

2024年6月15日更新

せたがや災害ボランティアセンターでは、5月16日から毎週末、石川県穴水町(あなみずまち)災害ボランティアセンター(以降「VC」)に災害ボランティアコーディネーター派遣を始めました。具体的には、毎週木曜午後に東京を出発し、金曜から日曜まで穴水町VCの運営を担っています。
(第1班活動報告はこちら→https://otagaisama.or.jp/saigai/news/20240601/1552.html)

災害ボランティアセンターの週末は朝から夕方まで大忙しです!

環境整備は朝7時半には始まります。ボランティアに活動先を案内するマッチング班は、朝のマッチング(ボランティアと活動先をつなぐ作業)に向け、ボランティアに説明する活動内容の確認をし、配布する資料を準備します。資機材整備班は、活動に必要な資機材を整え、ボランティアに配るお茶やお水、貸出しするヘルメットなどの準備を経て、8時15分には朝礼を迎えます。

全国から訪れるボランティアの受付を8時から開始、8時30分から全体オリエンテーションを行い、いよいよボランティアの活動先を決めます。

必要な資機材を揃え、指定された車両に乗り込み活動先に出発するボランティア達を見送ったら、すぐに次の活動先を準備します。活動先が近い場所のボランティアや土地勘のある常連ボランティアは活動をすぐに終え、次の案件を求めて戻ってくるからです。その間にも現場から本部への報告や確認、相談など様々な連絡が入り、マッチング班は常にボランティアの活動先とニーズ票とをにらめっこして、適切な活動先につなぎます。

マッチング班が次々とボランティアの活動先を準備している隣では、ニーズ班が被災した住民からの相談を受け、ボランティアへのニーズ票としてまとめていきます。特殊技術が必要なケースには専門スタッフが対応し、活動先が安全かどうか、確認が必要な場合は現地調査班が車を飛ばします。そうしているうちに午前の活動を終えたボランティア達が一度VCに帰着し、休憩をとります。

この間、マッチング班はボランティアの午後のニーズをマッチングして送り出し、今度は翌日の準備に入ります。翌日のボランティア活動予約数を確認し、処理できるニーズの優先順位を決め、依頼者にアポイントの電話を掛けます。(穴水町では活動前に必ずVCから依頼者にお知らせをします)

そうして翌日の活動順番や使用車両などを決めているうちにボランティアが活動から戻ってくるので活動報告を受けます。お疲れのボランティアをねぎらい、報告の内容をニーズ票に記載し、ニーズ班の入力担当に渡すとすぐにデータ化してくれます。

戻ってきた車両はガソリンの補充や状態のチェックなどすませ、資機材班は戻った資機材の整備、マッチング班は翌日に向けた準備を行います。

VCの運営は17時で終了し、スタッフで終礼を行います。ここで入力したデータの集計が発表されます。これがVCでの大まかな1日です。

 

ここからは、第2班、第3班で活動して頂いたコーディネーターのみなさんの感想を紹介させて頂きます!(紙面の都合上一部改変させていただいた箇所があります)

「今回、実際に運営側のお手伝いをさせていただき、たいへん貴重な経験ができました。バディコムアプリを利用しての無線対応や位置確認など、ボランティアさんの状況を都度確認することができるのは、とても便利だと思いました。また、キントーンでのデータ管理も非常に有効であることを実感いたしました。世田谷区で災害が起こった際にも活用できるものだと思います。

初日は右往左往しながらの活動でしたが、2日目からは少し気持ちにも余裕が出たので自分で何をするべきかを考えながら動けるようになったような気がします。」(Sさん)

「穴水町ではもうかなりの回数参加されている方々も多く一定の流れと空気が出来ています。それを決して変えようなどとは思わず、逆にうまく活かしつつ、出来る事をすべてやるという事を心掛けました。

とにかく効率重視、マニュアルもないし、決め事もそれほどないし、流動的に動かしているオペレーションなので、当然「漏れ」や「不足情報」等が、日常的に出てきます。他方、その場で何がどの様に動いているかは穴水町災害ボランティアセンター(社協)の方々はきちんと共有してくれるので、常に聞き耳を立てて何がどうなってどう動いているかを把握しておくこと、そして「漏れ」や「不足情報」などについて極力フォローしていく事や、現状を理解しきちんと記録に残すこと、手が足りていないところを補完すること、これがおそらく世田谷の災害ボランティアに求められている事と認識しました」(Yさん)

「今回は寄せ集めの『初めまして』のチームでしたが、チームワークも良く、それぞれが自主的に動き、スムーズに活動ができたのではないかと思います。
我々もデータ入力に加わったり、時間がある時は人員不足の案件に手伝いに入ったり、近所の飛び込みニーズに車を出し対応、見落としていた指定日ありの現地調査にも行くことができました。フットワークを軽く、いろいろなことに対応できたと思います。」(Gさん)

せたがや災害ボランティアセンターのコーディネーター派遣は当面の間、毎週末金~日曜日に実施していきます。スキルアップ講座等で学ばれたコーディネーターの皆さんが実地で体験して得た気付きは地元世田谷区にとって大変貴重な情報です。

これからもコーディネーターとして被災地支援に参加される皆さんの声を届けていきたいと思います。